パキスタン
● 犯罪発生状況,防犯対策
1.犯罪発生状況
(1)テロ・誘拐
パキスタンにおけるテロは,連邦直轄部族地域(FATA)やハイバル・パフトゥンハー(KP)州のような武装勢力が潜伏しているとみられる地域を中心に発生していますが,バロチスタン州やシンド州カラチにおいても政党・民族対立に起因する暴力事件や報復行動が発生しています。また,スンニ派とシーア派との間での宗派間抗争も国内で発生しています。
また,FATA等へ潜伏するパキスタン・タリバーン運動(TTP)等の掃討を目的とする当地軍による軍事作戦が2014年6月より開始され,同軍事作戦等に対する武装組織によるテロ活動が発生するなど,予断を許さない状況です。さらに,バロチスタン州の民族主義過激集団によるインフラ施設等へのテロ攻撃も後を絶たず,ガスパイプラインや送電線の他,旅客列車を狙った爆弾テロも頻発しております。
このように,パキスタンにおけるテロ情勢は依然として厳しい状況にあります。多数の民間人が集まる場所を標的としたテロに巻き込まれる可能性があるほか,身代金目的等のために外国人が誘拐される脅威も引き続き存在するため,今後も十分な警戒が必要です。
また,シリアにおいて日本人が殺害されるテロ事件をはじめ,ISIL(イラク・レバントのイスラム国)等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けているとみられる者によるテロが世界各地で発生していることを踏まえれば,日本人,日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険があります。このような情勢を十分に認識し,誘拐,脅迫,テロ等の不測の事態に巻き込まれることがないよう,渡航情報及び報道等により最新の治安・テロ情勢等の関連情報の入手に努め,日頃から危機管理意識を持つとともに,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。
パキスタンに渡航・滞在を予定されている方は,別途掲載しているテロ・誘拐情勢のほか,危険情報,スポット情報を事前に御確認ください。
(2)一般犯罪
(ア)スリ,偽警察官
乗り合いタクシーやバスの車内及び商店等,特に不特定多数の人が集まる場所において,スリなどの窃盗被害が発生しています。イスラマバード市内のマーケットにおいても,警察を装った者に身分証明書の提示を求められたヨーロッパの外交官が身分証明書を提示した際,現金の入った財布を持ち逃げされるなど,いわゆる偽警察官による犯罪事件が発生しています。また,カラチ市内を歩いていた邦人旅行者が,薬物捜査中の警察官と名乗る者から所持品を検査された後,現金を持ち逃げされる被害も発生しています。これらの事件の多くは,ホテル周辺,マーケットやバザールで発生しています。
(イ)強盗,武装強盗団(ダコイト)
主要都市部で白昼,銀行や商店を襲う強盗事件が発生しています。また,路上で旅行者を銃器・刃物等で脅し,金品を強奪する事件も発生しています。
また,ダコイトと呼ばれる武装強盗団による車両強奪のほか,バスの乗客を装った者が現金を強奪する等の犯罪も発生しています。これまで,ダコイトは郊外で出没していましたが,最近は都市部でも出没する傾向にありますので,犯罪に巻き込まれたり,又は狙われる危険性があることを認識し,細心の注意を払った行動をするよう心掛けてください。
また,路上犯罪のほとんどが銃器を使用したものであり,特に車両移動中の強盗被害が多発していることにも注意が必要です。けん銃を携行した複数人の強盗犯が渋滞で停車中の車両を次々と襲うといった大胆な事例も頻発しており,カラチ市内では,邦人が車両移動中にけん銃強盗被害に遭う事例も毎年複数件報告されています。また,銀行で現金を下ろした人を尾行して,自宅に戻ったところを襲うという手口の強盗も発生しており,多額の現金を持ち歩くときは周囲に対する十分な警戒が必要です。
また,都市部における車両窃盗が多発していますので,周囲にひと気のない場所への車両の駐車は避け,マーケット等の駐車場を利用する場合にも,周囲の状況を十分に確認する等の注意が必要です。
2.防犯対策
(1)テロ事件や不測の事態に巻き込まれないための対策
日頃から細心の注意を払い,高い危機意識を持って行動することが重要であり,常に最新の治安関連情報の入手に努め,テロの標的となる可能性のある軍及び警察関連施設,欧米関連施設,モスクや教会等の宗教関連施設,不特定多数の人が利用する市場(サンデーマーケットを含む)には極力近づかないよう注意することが大切です。また,大型マーケットや外国人がよく利用するファーストフード店,レストラン及びホテル等,多数の人が集まる場所での用事は短時間で済ませるようにし,常に周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知した場合には,速やかにその場から離れるよう心掛けてください。
(2)一般犯罪に遭わないための対策
○夜間単独での外出は極力避ける。
○知らない人から声をかけられても安易に信用しない。
○多額の現金を持ち歩く場合は,財布の他に数か所に分けて携行する等の予防措置を取る。
○高級品や宝飾品は極力持ち歩かない。
○長距離を移動する際には,陸路を極力避け空路を利用する。
○車での移動の際は,窓を完全に閉め,ドアは確実にロックする。
○ひと気のない所で不審車両の接近等に気付いた場合は,安全な場所まで車を走らせ,不用意な停車や減速はしない。
○誘拐予防のためには,自らの身は自らが守る心構えを持ち,誘拐の危険度に応じた対策(通勤時の安全対策,住居の警備強化,日常行動上の注意等の総合的な対策)をとり,①目立たない,②用心を怠らない,③行動を予知されない,という3原則を踏まえた行動を心掛ける。また,日頃から行動パターン(通勤時間,使用する道や施設)を常に変え,狙われにくくする。
○強盗が車両を停止させる手段としては,車両に横付けして銃で脅す,車の前方を塞ぐ,車両の前に人が飛び出して急ブレーキを掛けさせる,道路上に障害物を置く等があるので,そのような状況を想定した緊急時の対応について,運転手にあらかじめ指導しておく。
○万一,銃を向けられた場合には,身体の安全を第一に考え,決して抵抗せず,以下の点に注意して対処する。
・抵抗しない(抵抗と捉えられるような急な動作はしない)。
・犯人を刺激しない。
・所持品に執着しない。
・犯人の特徴を出来るだけ覚える(含む,車両ナンバー等)。
・身体の安全が確保された段階での警察等への通報。
●査証,出入国審査等
(手続や規則に関する最新の情報については,駐日パキスタン大使館(電話03-5421-7741),在大阪パキスタン領事館(電話06-6569-3106)にお問い合わせください。)
1.査証(ビザ)
日本人がパキスタンに入国するためには査証(ビザ)が必要です。事前に駐日パキスタン大使館等で目的に応じた査証を取得してください。
(1)短期商用目的
パキスタンの外資誘致政策に伴い,商用目的での短期入国者については空港到着時に査証(30日間有効)が取得可能となる等の優遇措置が設けられています。しかしながら,空港到着時に日本商工会議所等からの推薦状,パキスタン投資局からの推薦状等を持参・提示する必要がある等多くの条件が設けられていますので,トラブルを回避するためには,あらかじめ目的に応じた査証を取得しておくことをお勧めします。
(2)旅行目的
最長で3か月有効な査証が発給されます。また,パキスタン国内の各旅券事務所で申請すれば,最長3か月の滞在許可延長が可能です。以前は空港到着時に査証取得が可能となる措置が設けられていましたが,現在,同措置は廃止されました。
なお,次のような場合は入国が拒否されます。
○有効な旅券と必要な査証を持っていない場合
○精神障害者,伝染病罹病者,外国で強制送還の判決を受けたことがある者
○パキスタン政府の特別の命令により入国管理当局が入国を禁止する場合
(3)罰則規定
パキスタンでは外国人の不法滞在が深刻な問題となっています。これに伴い,パキスタン政府は不法滞在に係る罰金(Overstay Charge)を設定しています。この罰則規定は,すべての外国人(有効なパキスタンオリジンカードを所持する者を除く)に適用され,この罰金が科された場合は,次回からパキスタン入国が困難になる可能性があります。
不法滞在の期間 罰金額
2週間~1ヶ月 50米ドル
1ヶ月~3ヶ月 200米ドル
3ヶ月~1年 400米ドル
ついては,パキスタン査証に記載されている当国滞在可能期間を遵守し,必要に応じた当該査証の滞在期間更新手続きを行うようにしてください。なお,通常,査証は有効期間満了日の15日前から更新手続きが可能(一般旅券の場合)ですので,早めの手続きをお勧めします。
2.外貨申告
外貨(現金,トラベラーズ・チェックを問わず)の持ち込み額の制限はなく,入国時における申告も必要ありません。ただし,多額の現金を持ち込む場合には, 入国時に申告するようお勧めします。また,出国時は1万米ドルまでの外貨,3,000ルピーまでのパキスタン通貨の持ち出しが可能です。(インドへのパキスタン通貨持ち出しの規定は別途設けられています。)
現地通貨(パキスタン・ルピー)の米ドルへの換金は銀行では困難ですが,両替商で可能です。
日本円(現金,トラベラーズ・チェック)からパキスタン・ルピーへの換金は,カラチ市にある日本の銀行の支店やイスラマバード市の両替商等一部においては可能ですが,一般的には米ドルからの換金の方が容易です。銀行でのトラベラーズチェックの換金は,1回につき1,000米ドルが上限とされています。
3.通関
(1)持ち込み禁止品目
主な品目としては,わいせつ物,麻薬等違法薬物,各種武器,アルコール飲料の持ち込みが禁止されています。
(2)持ち出し禁止品目
持ち込みが禁止されている品目の他,仏像等の骨董品の国外不法持ち出しは法律で禁じられています。骨董品の国外不法持ち出しを図った場合は,当該物品の没収,および同物品の価値の2倍以下の額の罰金が科せられ,さらに禁固刑が科せられることもあります。なお,カーペットについては土産品として持ち帰ることができますが,購入先からの取得税番号の記載された領収書が必要です(金額の上限はありません)。
当地で取引されることがある「シャトゥーシュ」と呼ばれる動物の毛皮は,ワシントン条約で保護されており,同毛皮の国外への持ち出しは禁止されています。
● 滞在時の留意事項
1.滞在時の各種届出
日本人については,外国人登録は免除されています。しかし,日本人を含め,パキスタンに滞在している外国人は,パスポート,在留許可証等の身分を証明できるものを所持する必要があります(少なくとも,パスポートコピーは常時所持するようにしてください)。
2.旅行制限
FATAおよび国境より10マイル(約16キロメートル)以内の地域(カラコルム・ハイウェイを除くギルギット・バルティスタン地域及びKP州チトラル郡では国境より30マイル(約40キロメートル)以内),アザード・カシミール地域,クエッタと幹線道路を除くバロチスタン州全域等は,パキスタン政府により旅行制限地域と定められています。これらの地域へ立ち入るためには,内務省の許可が必要です。また,トレッキングのルートについても立ち入り制限地域(シアチェン氷河地域等)があり,かつ,これらの制限地域はたびたび変更されますで,事前に在日パキスタン大使館,又は,イスラマバード観光局で確認してください。これら地域への旅行を計画する際には,別途掲載しているテロ概要の他,随時更新している渡航情報(危険情報,スポット情報,テロ概要)もご参照ください。
3.写真撮影の制限
港湾,橋,鉄道,空港,軍事施設等の写真撮影は,国防上の理由で禁止されています。過去には,ラワルピンディにおいて日本人旅行者が軍事施設付近で写真撮影していたところ,現地の警察に身柄を拘束される事案が発生しています。
また,基本的に女性を撮影することは控えてください。KP州はパキスタンで宗教的に最も厳しいとされる地域で,バスを撮影したつもりでも,同時に女性が撮影されたとして,村人に囲まれカメラ等を没収される場合があります。過去には,日本人ジャーナリストが女性を撮影しようとして,村人に石等で襲撃され大怪我を負った上に,車両,カメラ,旅券等すべてを奪われる事件が発生しました。
4.各種取締法規
(1)麻薬等違法薬物
パキスタン政府の麻薬等取締りは厳しく,麻薬等売買等に関与した者に対しては,罰金を含む最低2年の拘禁刑から終身刑・死刑までの刑罰が科せられます。外国人も当然ながらこの法律の適用を受けることとなります。
もし,麻薬等の購入をもちかけられるようなことがあったとしても,そのような誘いには絶対に関わらないようにしてください。
(2)外国人の政治活動
パキスタン政府や政府高官に対する反抗行為,治安の妨害,扇動を行った場合には,厳しい刑罰が科せられます。
(3)銃器
銃器類の不法所持は禁止されています。銃器類(国内の一部の地域では,路上の商人が土産物として勧める一見玩具のように見えるペン型ピストルを含む)の不法所持の場合,7年以下の拘禁もしくは罰金,又は両刑の併科となることがあります。過去,ギルギット・バルティスタン地域において日本人旅行者が拳銃を不法に所持していたため,現地の警察官に現行犯逮捕されたことがあります。他にも,パキスタンを出国しようとしていた邦人が,機内預け荷物の中に弾丸型のキーホルダーを入れていたところ,空港警備員から航空機の搭乗を拒否される事案も発生しています。本物の弾丸はもちろん,模造品であっても,危険物として見なされ,所持者は航空機への搭乗を拒否され,場合によっては逮捕・拘留となる可能性もありますので,十分注意が必要です。
(4)売買春
性犯罪及び売買春は厳しく取り締まられており,3年以下の禁固刑若しくは罰金,男性については100回の鞭打ち刑等,犯罪の形態に応じ様々な厳しい刑罰が科せられます。最近では,治安当局による取締りも頻繁に行われており,仮にその場に居合わせた場合であっても逮捕される可能性もありますので,疑いのある店や施設には絶対に近づかないでください。
5.交通事情
(1)交通法規
日本とは異なり,シートベルトの着用は運転手及び助手席にのみ義務付けられ,当地交通警察により違反とみなされた場合は罰金が科せられます。しかし,交通法規を遵守しない車両や歩行者が多く,接触事故などの交通事故は頻繁に発生しています。自動車に乗車する際は,助手席や後部座席に乗る方も含め必ずシートベルトを着用し,周囲の車両等の動きに注意を払うとともに,十分な車間距離を取ることが大切です。
(2)道路状況
大都市などの主要な道路は比較的整備されていますが,郊外までは整備が行き届いていないのが現状です。また,一部の地域では多種多様の車両等が同時に通行することによる慢性的な交通渋滞が起きていたり,当地電力インフラの未整備により,交通信号が機能しない状況も多く見られます。また,道路が舗装されていない場所も多く,道路の真ん中に大きな穴が空いていることもあり,運転にあたっては細心の注意が必要です。夜間の運転は路面状況を確認しづらいので,場所によっては徐行するなど慎重な運転を心掛けてください。
6 長期滞在者向けの注意事項
パキスタンに3か月以上滞在される方は,緊急時の連絡などに必要ですので,到着後遅滞なく最寄りの日本国大使館又は日本国総領事館に「在留届」を提出してください。また,住所その他届出事項に変更が生じたとき,又は日本への帰国や他国に転居する(一時的な旅行を除く)際には,必ずその旨を届け出てください。在留届の届出は,在留届電子届出システム(ORRネット,http://www.ezairyu.mofa.go.jp )による登録をお勧めしますが,郵送,ファックスによっても届出を行うことができますので,最寄りの在外公館まで送付してください。
7 短期渡航者向けの注意事項
在留届の提出義務のない3か月未満の短期渡航者の方(海外旅行者・出張者など)についても,現地での滞在予定を登録していただけるシステムとして,2014年7月1日より,外務省海外旅行登録「たびレジ」の運用を開始しています(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/ )。登録者は,滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メール,また,いざという時の緊急連絡などの受け取りが可能ですので,ぜひご活用ください。
● 風俗,習慣,健康等
1.風俗,習慣,国民性に関する留意事項
イスラム教を冒とくする行為は決して行わないでください。また,公共の場では次のような事項に十分留意することが必要です。
○各地にあるモスク(イスラム教寺院)内を参観する際には,靴を脱ぐとともに神聖さを汚さないよう行動に気を付けてください。
○女性の単独行動はなるべく避け,また,外出する際にはなるべく肌を露出させない服装に心掛けてください。
○イスラム教徒にとって飲酒は禁じられており,酒類は一般の商店では販売されていません。また,アルコール飲料の国内持ち込みも禁止されています。
2.衛生事情
全国的に上下水道が十分に整備されておらず,水道水の塩素消毒は不十分で,水道や井戸水の中にウィルス,細菌,アメーバ,その他の原虫類,寄生虫卵等が混入していることがあります。水道水はそのまま飲用することは避け,十分煮沸するか,ミネラル・ウォーターの飲用をお勧めします。ミネラル・ウォーターは都市部のマーケットで販売されていますが,水道水を詰めて売るような悪質業者もいるため,極端に安い商品は避け,確実に密封されている商品を選んでください。また,特に安価なホテルやレストランで出されるグラス入りの水や氷,封の開いた状態で運ばれてきたミネラル・ウォーターは水道水であることもあるので,封のしてあるボトル詰めのミネラル・ウォーターを別に注文することをお勧めします。
3.病気
毎年5月及び6月には,内陸部で日中の気温が摂氏50度を超える場合もあるので,旅行者は行程に無理がないよう注意する必要があります。
また,パキスタンはポリオ野生株によるポリオ流行国です。同国にはポリオ拡大・輸出防止に関するWHOの勧告が2014年5月に発出されており、同勧告へのパキスタン政府の対応として、同国内に滞在する外国人を含めた全ての長期滞在者(4週間以上の滞在者)の国外出国時にはポリオワクチン接種が義務化され、WHOが推奨する証明書(もしくはパキスタン政府発行の証明書)の所持が必要となっています。
経口伝染病として,病原性大腸菌,カンピロバクター,コレラ,赤痢,腸チフス,その他の細菌性胃腸炎,ウィルス性肝炎(A型,E型),ノロウイルスなどによるウィルス性胃腸炎,ポリオ等があり,特に衛生状態の悪化する夏季には細菌性胃腸炎が多く発生します。また破傷風,狂犬病や,蚊が媒介するマラリアやデング熱等もあります。特にデング熱は,雨季(7月~8月)にはパンジャブ州及びシンド州を中心に毎年流行しています。デング熱の致死率は1%以下と言われていますが,一部は重症化して出血傾向がみられる「デング出血熱」となることがあります。また,急な発熱が3日以上続いた場合には,医療機関への受診をお勧めします。犠牲祭(Eid-ul-Azha)の前後の時期には,家畜のダニを介して人に感染するクリミア・コンゴ出血熱も毎年発生しています。また,気温の下がる冬季には,インフルエンザなどの急性上気道感染症が流行します。
A型・B型肝炎,ポリオ,破傷風,狂犬病などワクチンや予防接種により予防できる疾病については,可能な限り渡航前に接種を受けることをお勧めします。また,蚊を媒介とするマラリア,デング熱については,昆虫忌避剤を使用し,長袖長ズボンの着用等により肌の露出を控えるなど,蚊に刺されないように注意をすることが必要です。
4.医療事情
医療水準は日本と比べ低く,特に地方では最新の医療設備はなく,医師及び薬品も慢性的に不足しています。尿,血液,肝機能検査や風邪などの簡単な治療は問題ありませんが,重病や重傷の場合は,バンコク,ドバイなどへ移送されるのが現状です。万一に備えて,緊急移送サービスを含む十分な補償内容の海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。
● 緊急時の連絡先
[イスラマバード市](市外局番051)
◎警 察:TEL 15,9203333
◎救急車:TEL 115,2879778,2879779,2879994
◎消防署:TEL 16,9252842,9252843
◎在パキスタン大使館:TEL (+92-51) 907-2500
[カラチ市](市外局番021)
◎警 察:TEL 15
◎救急車:TEL 115,32310066~77
◎消防署:TEL 16,99215007~8
◎在カラチ総領事館:TEL (+92-21) 3522-0800
[ペシャワル市](市外局番091)
◎警 察:TEL 15,9213333,9213222,9212222
◎救急車:TEL 115,2214575,2563641
◎消防署:TEL 16,9212534,2566666
[ラホール市](市外局番042)
◎警 察:TEL 15,99200269,99203349
◎救急車:TEL 115,37806664,7806661,7806663
◎消防署:TEL 16,99211280~82,992230483
[ラワルピンディ市](市外局番051)
◎警 察:TEL 15,9270611,9270014
◎救急車:TEL 115,4422319,4410054
◎消防署:TEL 16,5770565,5570222,9278313
[クエッタ市](市外局番081)
◎警 察:TEL 15,9202555,9202777
◎救急車: TEL 115,826449,2821584
◎消防署:TEL 16,2650279,9211409~10
※在留邦人向け安全の手引き
現地の在外公館(日本国大使館・総領事館等)が在留邦人向けに作成した「安全の手引き」も御参照ください。
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(外務省代表)03-3580-3311 (内線)2902, 2903
(外務省関連課室連絡先)
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3399
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
(現地公館連絡先)
○在パキスタン日本国大使館
住所:Plot No. 53-70, Ramna 5/4, Diplomatic Enclave 1, Islamabad, Pakistan
電話:051-907-2500
国外からは(国番号92) 51-907-2500
FAX:051-907-2352
国外からは(国番号92)51-907-2352
ホームページ(日本語版):http://www.pk.emb-japan.go.jp/indexjp.htm
○在カラチ日本国総領事館
住所:6/2 Civil Lines, Abdullah Haroon Road, Karachi, 75530, Pakistan
電話:021-3522-0800
国外からは(国番号92)21-3522-0800
FAX:021-3522-0820
国外からは(国番号92)21-3522-0820
ホームページ(日本語版):http://www.kr.pk.emb-japan.go.jp/j/index.html |