現地メディア向け開発協力プレスツアー実施

令和7年3月21日
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現地メディア向け開発協力プレスツアー実施
 
2025年3月20日、在カラチ日本国総領事館は、現地メディア向けに政府開発援助(ODA)プレスツアーを実施しました。同ツアーは、現地メディアに対し日本政府が実施した開発協力事業を紹介することで、教育、医療、人間の安全保障など様々な分野における日本の開発協力の貢献についてパキスタンの人々に広く認識してもらうことを目的としています。今回はシンド州カラチ市に拠点を置く新聞社やテレビ局の関係者を招待し、市内にある2つの開発協力事業地(今年度は全て医療関係の草の根・人間の安全保障無償資金協力案件地)を視察しました。
 
1つ目は、カラチ市グリスターネ・ジョーハル地区に位置するヘルプ国際福祉トラスト(Help International Welfare Trust)が運営するサラセミア(地中海性貧血症)診療所を訪問しました。ヘルプ国際福祉トラストは1994年に設立され、2012年からカラチの貧困地域を中心にサラセミアの無料ケアを実施しています。同診療所では、2012年から無料で治療サービスを提供しており、また2022年洪水被災地で輸血施設がないシンド州内陸部やバロチスタン州からの通院患者も受け入れています。近年、パキスタンにおいてサラセミアに対する認識は高まっていますが、輸血用血液の確保や集中治療室の整備は喫緊の課題となっています。2024年に血液成分分離装置及び人工呼吸器を供与し、診療所内の献血及び緊急医療体制が整備されました。
 
2つ目の事業地は、カラチ市グルシャネ・イクバール地区に位置するアル・ムスタファ・メディカルセンター(Al-Mustafa Medical Centre)です。カラチ市内の中心に位置していることからアクセスが良く、診療費が高額な私立病院よりも約70%安く診療を受けることが可能であることから、貧困層・低所得者が1日に数百人、患者として同センターを訪れています。2009年に手術用機材、2018年に放射線装置及びデジタルラジオグラフィーを供与しました。放射線装置及びデジタルラジオグラフィーについては、2018年に導入以降、1日平均80名の患者が同機材を利用した診察を受けています。
 
参加した記者たちは、それぞれ各プロジェクトやパキスタンにおける医療事情について関係者と意見を交わし理解を深めました。プレスツアー終了後、取材した内容を元に新聞紙やテレビニュース等の媒体で日本の開発協力について報道がありました。
 
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