現地メディア向け開発協力プレスツアー実施
令和3年12月23日


現地メディア向け開発協力プレスツアー実施
2021年12月22日
2021年12月16日、在カラチ日本国総領事館は、国際協力機構(JICA)と連携し、現地メディア向けに政府開発援助(ODA)プレスツアーを実施しました。同ツアーは、現地メディアに対し日本政府が実施した開発協力事業を紹介することで、教育、農業、人間の安全保障など様々な分野における日本の開発協力の貢献についてパキスタンの人々に広く認識してもらうことを目的としており、今回はシンド州カラチ市に拠点を置く新聞社やテレビ局の関係者を招待し、市内にある3つの開発協力事業地を視察しました。
パキスタン気象庁・カラチでは、無償資金協力により「カラチ気象観測用レーダー設置計画」が実施され、2020年に気象レーダー塔の新設と老朽化したカラチ気象レーダーシステムの更新が完了しました。これにより、パキスタン気象庁の気象観測能力を向上させ、熱帯低気圧はもちろん、洪水などの自然災害の予測・早期警報機能の改善に寄与しました。記者らは実際に過去記録された天気図等を見ながら、カラチ気象レーダーの機能について説明を受けました。
2つめの事業地は、中でも貧困層が多く住む地域、コランギ地区に位置するインダス病院です。この病院では、在カラチ日本国総領事館が実施した草の根無償協力により、2016年に小児用ICUベッドを含む妊婦や子どもたちのための医療機器が提供され、今もメンテナンスをしながら使われています。パキスタンでは、近年母子死亡率が低下していますが、その改善の推移はまだ非常に緩やかであり、特に死亡率の高い貧困層が利用できる設備を改善することは彼らの人生に直結すると考えられます。
最後に訪れたのは、コランギ地区メヘランに位置する、NGOが運営する学校でした。JICAは、技術協力プロジェクト「オルタナティブ教育推進プロジェクト(AQAL)フェーズ2」の一環として、学校に通えていない子どもや若者の効率の良い学習を助ける速習型学習プログラム(ALP)を開発し、地元で活動するNGOと協力して経済的に脆弱な地域で同プログラムを実施しています。この日訪れた学校は、小さなスペースを工夫して作られた小さな学校で、記者らは実際に使用する教科書を見ながらプロジェクトの説明を受けました。
参加した記者たちは、それぞれ各プロジェクトやパキスタン社会における一般的な問題について関係者と意見を交わし理解を深めました。プレスツアー終了後、取材した内容を元に新聞紙やテレビニュース等の媒体で日本の開発協力について報道がありました。
